昔、両親が家にいないときは梶君の家に泊めてもらってた。
梶君の両親も優しい人で、私がいるときは私の好きな料理を用意してくれてたっけ。
懐かしい気持ちになりながら、気が緩んで借りている布団をゴロゴロしてしまう。
その様子を見てた梶君が急にこちらの布団をぎゅっと握ってきた。
「昔はよく一緒に寝てたよね」
顔を上げるクッションを寄りかかってこちらを見ている梶君と目が合った。距離が、近い。
「寒いときに俺の布団に足入れてきてたじゃん……覚えてる??」
そう言いながら布団の上から足でこちらをツンツン突いてきた。