終わらない……
そうココロの中で何度も叫びながら手を動かして何時間経っただろうか。
オフィスには誰もいない、一人残業しながら明日の午前中までに制作が必要なデータを用意している。
しんどいな……、そうつぶやいたとき後ろからガザっと音がして思わず振り返った。
「ちょっと休憩しろ」
両手にドリンクケースを持った古鮫さんがいた。
「残業するにしてもやりすぎだぞ」
差し出されたドリンクケースから私の大好きなココアの香りがして、少し目が潤んでしまう。
「……俺もまだ仕事するし、俺のわがままで休憩に付き合うってことで」
そう言って近くの席から椅子を引っ張ってきて隣に座った。